態度、習慣、行動の変化

Attitudes, Habits, and Behavior Change


 君の態度が、積極的であるか、消極的であるか。君の態度によって、君の人生は決定的に変わる。
 こんなことは、古今東西の賢人が、それこそ数え切れないくらい語ってきたことだ。毀誉褒貶の激しい人物であるけれど、アメリカの黒人解放運動指導者のマルコム X が、有名な演説のなかで、「君の根本が変われば、君の考え方が変わる。君の考え方が変われば、君の態度が変わる。君の態度が変われば、その態度が君の行動を変化させるのだ」といっている。
 当時、マルコム X は、「I have a dream」で有名なキング牧師の対極にいたので、急進的で過激な人物と見なされていた。ただ、現在から見ると、マルコム X の根本は、「じっとしているな。もっと積極的であれ」という精神である。
 積極的な態度が、君の行動を変化させることはまちがいない。君がやる気になって、積極的に取り組めば、君は、自分の目標に向かって、必ず前進していくだろう。
 ところが、いつのまにか、だらしない自分にもどっている。どうしてだろうか?
 積極的な態度が持続されていないのだ!
 では、積極的な態度を持続するためには、どうしたらいいのだろうか?
 さまざまな試みがなされた結果、何人かの賢人が、就寝前の状態が、起床後の状態を決定していることを発見した。就寝前に積極的な気持ちであれば、起床後も積極的な気持ちなのだ。逆に、就寝前に消極的な気持ちであれば、起床後も消極的な気持ちなのだ。
 「明日の試験でベストを尽くすぞ」と誓って睡眠をとると、翌朝、やる気に満ちているだろう。「明日の試験はいやだな。いい結果を出すのは無理だ」と悩んで睡眠をとると、翌朝、すっかり自信を失っているだろう。
 現在の神経科学の知識で説明すれば、就寝前につくった記憶が睡眠中に定着して、起床時に想起されることになる。だから、就寝前に、「明日も積極的に取り組むぞ」と思って睡眠をとれば、起床時に積極的な態度になっている。これを毎日くりかえせば、積極的な態度が持続される。積極的な態度が持続されれば、君の行動もどんどん積極的になっていく。
 じつは、優れた実績を上げている人たちの多くは、どの分野であっても、睡眠をとても大事にしている。たとえば、スポーツ界の大選手たちは、就寝前に「積極的な自己イメージ」をつくり、十分な睡眠をとってから、練習や試合に臨んでいたし、現在も同様だろう。
 就寝前の状態が、睡眠中に強化され定着するわけだから、「自信のある自分」を思い描くか、「自信のない自分」を思い描くか、によって、明日の自分が決まるのだ。
 さあ、就寝前の状態が、どれほど重要か、わかっただろうか?
 就寝前に学習して、「よし。できるぞ」と確信してから睡眠をとれば、起床時の君は、「できる自分」になっている。ぜひ生活習慣にしてほしい。

山手学院 学院長 筒井 保明